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求人情報の無料掲載サービスでのトラブルに注意しましょう

人事情報お役立ちブログ(毎週更新) 人事管理関連

<トラブルの発端>

ハローワークの求人票に求人情報を掲載すれば、当然のことながら、誰でもこれを閲覧することができます。 

このため、求人サイトを運営する事業者等が、営業目的で応募受付電話に電話をかけてくることがあります。 

中には、求人サイトに無料で求人広告を掲載できるサービスという内容のものもあります。 

 

<申込から料金発生までの流れ>

電話で求人広告の無料掲載の案内を受け、申請書がFAXで届きます。 

この申請書に必要事項を記入し、FAXで送り返すことによって契約します。 

申請書の下に「○○日経過後は有料掲載へ移行する」と小な文字で記載されていますが、FAXということもあり、読み取りにくく気が付きにくいのです。 

そもそも電話では、有料掲載の説明がありません。 

この結果、無料掲載期間経過後に自動で有料掲載に移行し、多額の広告料金を請求されることになります。 

<ハローワークの対応>

ハローワークでは、求人票の担当者欄に「ハローワーク以外の職業紹介事業者からの営業はお断り」あるいは端的に「求人掲載の営業はお断り」などと記載することを推奨しています。 

しかし、これによって、営業電話がかかってこなくなるわけではありません。 

また、担当者の連絡先を非公開にすることもできます。 

ただし、この場合には、事業所名、所在地、ホームページ、画像情報なども非公開となり、ハローワークの窓口での提供や、求職者マイページのみでの閲覧となります。 

これだと、求人の効果そのものが低下する恐れがあります。 

 

<悪質性の内容>

求人企業の求めに応じて、その募集情報をインターネットなどで提供することや、その広告料金を請求することは違法ではありません。 

しかし、「無料掲載」を強調して申し込ませ、その後連絡が取れないまま、自動的に有料掲載期間に移行して、多額の広告料金を請求してくるのは不当です。 

また、業者によっては、メールを送っても届かなかったと主張したり、解約申込書の送付を約束しておきながら送ってこなかったりということもあります。 

こうして、悪質性が明確になってくるのです。 

 

<実務の視点から>

こうした業者を詐欺罪で検挙するのは困難です。故意がなかったと言って逃げられてしまうからです。 

トラブルの情報を人事部門に周知して、話に乗らないように指導することが大事です。 

 

2024年9月25日

社会保険労務士 柳田 恵一

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