高校生を雇用するにあたっての注意事項
<高校生の採用>
以前からコンビニ、スーパー、飲食店などでは、高校生をアルバイトとして採用している店舗が多かったのですが、人手不足の折、他業種でも高校生の採用が増えているようです。
一方で、物価高が家計を圧迫し、アルバイトとして働くことを希望している高校生も増えています。
高校生等の未成年者を使用する場合にも、労働基準法等を守らなければなりません。さらに労働基準法では、年少者の健康及び福祉の確保等の観点から、様々な制限が設けられ保護が図られています。
未成年者自身が、こうした制限についての知識を持っていないことが多いため、職場の他のメンバーが趣旨を理解し、制限の内容を知っておくなどして、法令違反が生じないように注意する必要があります。
<採用にあたっての制限>
労働契約は、未成年者が結ばなければならず、親や後見人が代わって結ぶことはできません。〔労働基準法第58条〕
賃金は、直接本人に支払わなければなりません。ただし、本人同意の上で、指定する銀行等の本人名義の口座に振込みをすることができます。〔労働基準法第24条〕
賃金の額は、都道府県ごとに定められた最低賃金の額を下回ってはなりません。〔最低賃金法第4条〕
事業場には、未成年者の年齢を証明する公的な書面を備え付けなければなりません。〔労働基準法第57条〕
<労働時間の制限>
原則として、1週間の労働時間は40時間、1日の労働時間は8時間を超えてはなりません。三六協定によっても、これを延長することはできません。〔労働基準法第35条〕
また原則として、午後10時から翌日午前5時までの深夜時間帯に働かせることはできません。〔労働基準法第61条〕
<危険有害業務の制限・坑内労働の禁止>
下の一覧表にある危険有害業務は制限されています。〔労働基準法第62条〕
また、坑内での労働は禁止されています。〔労働基準法第63条〕
【危険有害業務一覧表】
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<その他>
雇入れの際には、仕事に必要な安全衛生教育を行わなければなりません。〔労働安全衛生法第59条〕
未成年者であっても、また短期間の臨時アルバイトであっても、労災保険が適用されます。〔労働者災害補償保険法〕
2025年3月26日
社会保険労務士 柳田 恵一
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