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介護休業制度の個別周知義務(令和7年4月改正)

人事情報お役立ちブログ(毎週更新) 勤怠・就業管理関連

<介護に直面した旨の申出をした労働者に対する個別の周知・意向確認義務>

育児・介護休業法の改正により、令和7年4月1日以降、介護に直面した旨の申出をした労働者に対して、事業主は介護休業制度等に関する以下の事項の周知と介護休業の取得・介護両立支援制度等の利用の意向の確認を、個別に行わなければなりません。取得や利用を控えさせるような個別周知や意向確認は認められません。 

【周知事項】 

・介護休業に関する制度、介護両立支援制度等(制度の内容) 

・介護休業・介護両立支援制度等の申出先(人事担当者など) 

・介護休業給付に関すること(雇用保険加入者) 

 

個別周知・意向確認の方法としては、面談または書面交付が原則となります。面談は設備が整っていれば、オンライン面談でも構いません。また労働者が希望すれば、FAXや電子メール等の送信によることもできます。 

<介護休業>

介護休業とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態にある対象家族を介護するための休業です。 

基本的には、労働者が自ら対象家族を介護するための休業ではありません。次のような介護の体制を整えるための休業です。 

【介護休業の活用法】 

・市区町村、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどへの相談。 

・介護サービスの手配。 

・親族間で介護や費用の分担を決定。 

・民間事業者やボランティア、地域サービスなど、利用できるサービスを探す。 

 

<介護両立支援制度>

介護が必要な家族を抱える労働者が、介護サービス等を十分に活用できるようにするため、介護休業や柔軟な働き方の制度を様々に組み合わせて対応できるような制度の構築が必要です。 

【介護両立支援制度】 

・介護休暇 

・介護のための所定労働時間の短縮措置等 

・介護のための所定外労働の免除 

・有期契約労働者の介護休業の取得要件の緩和 

<介護休業給付>

介護休業給付は、雇用保険の雇用継続給付の一つですから、雇用保険加入者(一般被保険者・高年齢被保険者)のみが受けられます。 

家族を介護するための休業をした被保険者で、介護休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月、または介護休業開始日が令和2年8月1日以降であって、介護休業開始日以前の2年間に賃金支払基礎日数の11日以上の完全月が12か月に満たない場合は、賃金の支払の基礎となった時間数が80時間以上である完全月が12か月以上ある方が支給の対象となります。 

ただし、過去に基本手当の受給資格の決定を受けたことがある方については、基本手当の受給資格や高年齢受給資格の決定を受けた後の期間で条件を満たした場合に限られます。 

そのうえで、次の2つの要件を満たす場合に支給されます。 

・介護休業期間中の各1か月毎に休業開始前の1か月当たりの賃金の8割以上の賃金が支払われていないこと 

・就業している日数が各支給単位期間(1か月ごとの期間)に10日以下であること。(休業終了日が含まれる支給単位期間は、就業している日数が10日以下であるとともに、休業日が1日以上あること。) 

2025年1月24日

社会保険労務士 柳田 恵一

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