シフト制で働く人の年次有給休暇
<使用者の悩み?言い訳?>
コンビニなどで、シフト制で週2~4日程度働いているアルバイトやパートについて、店長が次のような話をすることがあります。
・年次有給休暇の付与日数は、所定労働日数が基準となっているが、所定労働日数は決めていないので、付与日数も確定できない。
・本人の休みの希望を踏まえてシフトを組んでいるので、みんな休みたい日に休めている。シフトが確定してしまってから、休みの希望を出されるのは困る。だから、年次有給休暇を取得させられない。
<所定労働日数の考え方>
厚生労働省は、シフト制で契約する場合にも、1週間の標準所定労働日数や最低労働日数、最高労働日数を決めて、労働条件通知書に記載することが望ましいと言っています。これはワーク・ライフバランスを考えてのことですから、年次有給休暇の付与日数の手がかりにはなりません。
さて、労働条件通知書に所定労働日数を記載できないとしても、シフト制で働く皆さんは、確定したシフト表に従って勤務しています。このシフト表は、1週間単位、半月単位、1か月単位などで、その期間に入る前に確定しています。
この事前に確定したシフト上の労働日数が、所定労働日数ということになります。年次有給休暇付与日数表には、「週所定労働日数」の欄の他に、「1年間の所定労働日数」の欄があります。確定したシフト上の労働日数を1年分(最初の1回は6か月分)集計して、勤続期間に応じた付与日数が確定します。
ここでの注意は、事前に確定したシフト表を、確実に保管しておく必要があるということです。
【年次有給休暇付与日数表】
<年次有給休暇取得日の決定方法>
シフトを組むにあたっては、各従業員の勤務希望日や休日の希望を出してもらうことになります。
この時点で、シフトに穴が空いてしまう時間帯については、何人かに出勤できないか打診して、シフトを埋めるようにしているはずです。
このとき反対に、勤務の希望が重なって、人手が余ってしまう時間帯も発生していることでしょう。
この部分について、店長などシフト調整を行っている責任者から、勤務の希望が重なっている従業員に、年次有給休暇の取得を打診してはいかがでしょうか。
シフトに入りたがっていた従業員にしてみれば、シフトから外されるのは収入減となることもあり、不満を抱くことになるでしょう。これを年次有給休暇の取得でカバーすれば、不満も生じないことになりますし、そもそも年次有給休暇を取得させてもらえないという不満、場合によっては、違法状態も解消されることになります。
これは、あくまでもシフトが確定する前の段階での調整ですから、年次有給休暇の取得によってシフトに穴が空くこともありません。
2025年3月28日
社会保険労務士 柳田 恵一
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