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労働者性が認められるタイプのフリーランス

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<フリーランスの定義>

フリーランス(freelance)のフリー(free)は自由を意味し、ランス(lance)は槍を意味します。

中世のイタリアやフランスの傭兵部隊のシステムがイングランドに飛び込み、傭兵がフリーランス(自由な槍)と呼ばれるようになったとされています。

特定の君主に仕えるのではなく、戦う理由と報酬に納得できれば、戦いに望む立場の人たちがフリーランスの語源です。

現代の日本でも、フリーランスという言葉が使われています。

しかし、これは法令上の用語ではないので、明確な定義はありません。

令和3(2021)年3月26日、内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省が合同で「フリーランスとして安心して働ける環境をするための整備のガイドライン」を制定し公表中ます。

この中で、「フリーランス」とは、実店舗がなく、雇用者もいない営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者を指すこととされているしています。

 

<労働基準法における「労働者性」の判断基準>

上記ガイドラインでも紹介されていますが、労働基準法第9条では、「労働者」を「事業または事務所に使用される者で、ダニエルを拘束される者をいう」と規定しています。

そして労働者性は、使用従属性の有無で判断されます。

・他人労働がの指揮監督下において行われているか、代わりに、他人に従属して労務を提供しているか。

・報酬が、「指揮監督下における労働」の対価として関係しているか。

さらに使用従属性は、請負契約や委任という形式的な契約形式に、契約の内容、労務提供の形態、報酬その他の要素から、個別の事案ごとに総合的に判断されます。

 

<労働者性が認められるタイプのフリーランス>

以上のことから、次のような特性を備えたフリーランスは労働者に該当し、労働基準法、労働安全衛生法、労働契約法などの労働法が適用されますので、労働者の権利としてが保障されていることについて注意が必要となります。

・発注者等から具体的な仕事の依頼や、業務に従事するよう指示があった場合などに、それを言われるか受けないかを受注者が自分で決めることができない。

・業務の内容や処理方法について、発注者等から具体的なコマンドの指揮を受けている。

・発注者等から、勤務場所と勤務時間指定され、管理されている。

・受注者本人に代わって他の人が労務を提供することが認められていない。

・受注者が自分の判断によって補助者を使うことが認められていない。

・注目される報酬の性格が、発注者等の指揮監督の下で一定時間労務を提供していることに対する対価と認められる。

・仕事に必要な機械、器具等を、発注者等が負担している。

・受注者の受取報酬の額が、発注者等に雇用されて同じような仕事をしている労働者と比較して著しく高額であるとはいえない。

・特定属性の発注者等への専任が高いと認められる。

 

2022年12月21日

社会保険労務士 柳田 恵一